遺留分を請求するときには、遺留分減殺請求という手続きをしなければなりません。 |
遺留分減殺請求とは、遺留分の侵害者に対し、遺留分の返還を請求する手続きです。遺留分減殺請求の相手は、遺贈や贈与によって遺留分を侵害している人です。たとえば、父親が遺言によって愛人に全財産を遺贈した場合には、愛人に対して遺留分減殺請求の意思表示を行う必要があります。
遺留分減殺請求には、特別な方式はありません。そこで、理屈としては、口頭で「遺留分を返して下さい」と言っても良いことになります。しかし、このような方法で請求をしても、遺留分請求をした証拠が残りません。遺留分減殺請求は、遺留分侵害の基礎となる事実を知ってから1年以内に行う必要がありますが、証拠を残しておかないと、後で「期限内に請求を受けていない」と言われてしまうおそれがあります。そこで、遺留分減殺請求をするときには、必ず内容証明郵便を利用して、遺留分減殺通知書を送りましょう。配達証明もつけておくと、相手にいつ配達されたのかがわかって役立ちます。
その後、相手と話合いをして遺留分の返還方法を決めますが、話合いでは合意ができない場合には、遺留分減殺調停を行います。遺留分減殺調停でも解決ができない場合には、遺留分減殺訴訟を行う必要があります。
遺留分減殺請求を行う場合には、相手との間で深刻なトラブルになることが多いです。調停や訴訟を有利に進めるためにも、早めに弁護士に依頼すると良いでしょう。