換価分割とは、遺産を売却して、その売却金を相続人が分け合うことによる遺産分割方法です。 |
たとえば、遺産の中に不動産がある場合に、その不動産を売却して、売却金を相続人が分け合います。売却代金は、法定相続人が法定相続分に従って分け合います。3000万円の不動産を3人の兄弟が換価分割する場合には、1人が1000万円ずつ現金で受け取ることとなります。
換価分割のメリットは、公平かつ明確に遺産分割ができることです。現物分割をすると価値の多寡が発生するので不公平になりますし、代償分割の場合でも、評価方法や将来の値上がり益、値下がり損などの問題があるので(将来値上がったら不動産を取得した人が得になりますし、値下がったら不動産を取得した相続人が損になります)、完全に公平とは言えません。換価分割であれば、売却時の現金を法定相続分に従って1円単位で分け合うので、完全に公平で、相続人からの不満は出にくいです。また、代償金を支払う能力がない相続人ばかりのケースでも、換価分割ならば実行することができます。
しかし、換価分割をすると、対象の遺産が安くしか売れないことがあります。また、売却に際しての手数料がかかるため、手取り額は評価額よりも減ってしまうことが多いです。さらに、現金に換えてしまうため、不動産などの「資産」が失われてしまうというデメリットもあります。