就業規則が違法な場合、違法な部分が無効となります。また、労働基準監督署は違法な就業規則の変更を命じる権限を持っているので、労基署から変更の指示や命令を受ける可能性があります。 |
・違法な内容の就業規則は効力を生じない
ときには、企業が定めた就業規則の内容が違法になっていることがあります。たとえば「正当な理由がないと有給休暇を取得できない」などと定められている場合が考えられます。法律上、有給休暇は、特に理由がなくても与えなければならないものなので、このような就業規則があれば違法です。
違法な就業規則がある場合、基本的に違法な部分が無効となります。労働基準法では「就業規則は法令または当該事業場に適用される労働協約に反してはならない」と定められているからです(労働基準法92条1項)。
なお、無効となるのは基本的に違法な部分に限られ、就業規則が全体として無効になるとは限りません。
・周知していなくても無効
就業規則を作成したら、従業員への周知が必要です。周知していない場合には、企業側は労働者側にその内容を主張することができません。
・労基署による変更指示
労働基準法第92条2項は「行政官庁は、法令又は労働協約に抵触する就業規則の変更を命ずることができる」と定めています。
そこで、就業規則の内容が違法になっていると、労働者の申告などをきっかけに、労働基準監督署が対象企業に対して就業規則を変更するように指導勧告や命令をしてくるケースもあります。
就業規則を作成するときには、内容にも留意すべきです。自信がない場合などには弁護士までご相談下さい。