解雇したい従業員がいるとき、解雇予告をして解雇の要件を満たせば解雇できると考えられていることがありますが、それ以前に「そもそも法律によって解雇が禁止されている」場合があります。 以下では、法律上解雇が禁止されているケースがどのようなものか、解説します。 |
・労働基準法によって禁止される場合
解雇を禁止する法律上の根拠にはいろいろありますが、まずは代表的な労働基準法による規制内容をみてみましょう。以下のような解雇は認められません。
・国籍、信条や社会的身分を理由にした解雇(3条)
・業務上の怪我や病気による休業期間や、休業明け30日間の解雇(19条)
・産前産後の休業期間中やその後30日間における解雇(19条)
・労働者が労働基準監督署に企業の不正等を申告したことを理由にした解雇(104条)
・解雇予告や解雇予告手当の手続きをしないで行われた解雇(20条)
・その他の法律によって禁止される場合
・女性であることや、女性労働者が結婚、妊娠、出産したこと、産前産後の休業をしたことを理由にした解雇(男女雇用機会均等法9条)
・育児や介護休業の申出をしたことや、それらの休業を取得したことを理由にした解雇(育児・介護休業法10条)
・公序良俗に違反する解雇(民法90条)
・権利濫用になる解雇(民法1条3項)
・労働組合に加入していることや実際に組合活動をしていることを理由とした解雇(労働組合法7条)
以上のように、そもそも解雇が認められない場合には、解雇の合理性や相当性を検討するまでもなく解雇が違法無効となるので、注意が必要です。
解雇について悩まれているなら、一度弁護士までご相談下さい。