常時10名以上の従業員を雇用している場合、就業規則を作成する義務があります。また、本社と事業所があって、他の事業所にも常時10名以上の従業員がいる場合には、事業所ごとに就業規則を作成する必要があります。 |
・就業規則とは
就業規則とは、事業所内の労働者に適用される労働条件や職場の規律事項を使用者側が定めたルールです。
労働条件を決めるとき、個別に労働契約によって決定することも可能ですが、契約締結前に就業規則の内容を周知させていた場合には、その労働条件が適用されます(労働契約法7条本文)。
また就業規則には、賃金や就業時刻、休憩時間や休日、休暇、退職に関する事項、解雇事由などを記載する必要があります。
・就業規則を作成すべき義務を負う企業
就業規則を作成しなければならない企業とそうでない企業があります。
まず、常時10人以上の労働者を雇用している事業所は就業規則を作成すべき義務を負います。就業規則は「事業所ごと」におく必要があります。たとえば本社と別に事業所があり、そこにも常時10人以上の労働者が雇用されているならば、そちらの事業所にも就業規則を用意する必要があります。
これに対し、従業員が10人未満の場合には作成不要です。
・就業規則は周知する必要がある
就業規則は、単に作成するだけではなく「周知」が必要です。
周知とは、労働者が確認したいと思ったとき、いつでも就業規則を確認できる状態にしておくことです(労基法106条、労働基準法規則52条の2)。
就業規則は、自社の状況に応じたものを作成すべきです。作成方法がわからない場合やより有効な内容への改定を考えておられるならば、一度弁護士までご相談下さい。