まずは残業代が発生しているのかどうかを確認し、発生しているならば計算が合っているかどうかチェックしましょう。返還の必要がある場合には労働者側と交渉をして、可能な範囲で折り合って支払います。 |
・残業代が発生しないケースがある
従業員から未払い残業代の請求をされても、必ずしも残業代が発生しているとは限りません。
従業員が法律を正しく理解していないこともあるので、まずは残業代が発生している事案かどうかの確認が必要です。
たとえば、みなし残業代制度や固定残業代制度が適用される場合には個別の残業代が発生しない可能性がありますし、従業員が「管理監督者」に該当するケースでも残業代の支払いは不要です。企業側が残業を禁止していた場合にも、残業代支払いが不要となる例があります。
こうした要件にあてはまるかどうか、丁寧に検証すべきです。
・残業代の計算方法が合っているかどうか確かめる
次に、残業代の計算方法が合っているかどうか確認しましょう。
基本的には1時間あたりの基礎賃金を計算し、時間外労働時間と割増率をかけ算すれば残業代を計算できますが、労働者側の計算では、それぞれの基礎となっている数字が間違っていたり過大になっていたりすることもあります。
時間外労働の時間の根拠が示されていない場合には、労働者側の根拠の提示を求めましょう。また、見かけ上労働時間内となっていても、労働者が業務と関係のないことをしていたときや休憩していたときには「残業代を認めない」と主張できます。
・話合いを進めて合意する
どの程度の残業代が発生しているのかが明らかになったら、労働者と話し合って支払うべき残業代の金額を決めて合意をします。
従業員から未払い残業代の請求をされたとき、適切な対応をとらないと損失が大きくなります。お困りの際には弁護士までご相談下さい。